食事療法Q&A
糖尿病治療にとって重要な食事療法。様々な疑問にお応えしています。
よく目にする糖尿病用のサプリメントは治療に有効?
現代人はビタミン・ミネラルが不足しがちです。特に食事制限をする糖尿病の方は、どうしてもビタミン・ミネラル・カルシウムなどが不足する傾向が強いようです。
そのため、そういったものをサプリメントや栄養ドリンクなどでうまく摂取するのは効果的かと思います。(栄養ドリンクを飲むときは、カロリーや糖質に注意する)
しかし、「糖尿病に効く」と謳われているようなサプリメントはあまり信用しない方が良いかもしれません。もし本当に劇的に効果のあるサプリがあるとすれば、主治医から勧められたり、テレビなどで強く紹介されるでしょう。
現在そういったものは聞きませんので、もし摂取してみたいサプリがあるのであれば、一度主治医の先生に相談することをオススメします。
日常生活において気を付けておくべきことは何?
言うまでもありませんが、規則正しい生活と適度な運動、そして腹八分目の栄養バランスの整った食事を意識することが大切です。
他にも、ストレスを溜めこまないよう、自己流のストレス発散や趣味を見つけたり、家族と一緒に食卓を囲んだり、楽しくゆっくり食事をすることも良いでしょう。
また、今まで以上に自分の身体に注目し、感染症にかからないよう、十分注意する必要があります。
食事を2食に減らすことで血糖値を下げることはできる?
これはいろいろと説があるため、難しい質問です。
基本的には、食事を2食にしてしまうと、食事の間が長くなり、空腹時から飲食後にかけて血糖値が飛躍的に上がってしまいます。また、体がエネルギーを蓄えようとしてしまうため、ますます血糖値が上がる危険性があるとも言われています。
ただ最近は、糖尿病は摂取過剰による病気だから、2食にして1日の総摂取カロリーを抑えるのは効果的だ、という意見もでてきています。
できることならば、1食のカロリーや糖質を抑えつつ、3食規則正しく食べることをオススメします。自己判断で2食に切り替えるということだけはしないでください。
カロリーゼロやカロリーオフの食品なら、摂取しても大丈夫?
カロリーゼロやノンカロリーという表示をよく目にするかと思いますが、健康増進法により、100gまたは100mlあたり5kcal未満であればOKということになっています。
※情報参照元:東京都福祉保健局「栄養成分表示ハンドブック」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/kyouzai/files/eiyouseibun_handbook.pdf)
そのため、ゼロやノンという表示でも、全くカロリーがないわけではありません。4kcalは糖質に換算すると1gに相当することになりますので、そこは念頭に入れておく必要があります。とは言っても、よっぽどものすごい量を食べない限りは問題ないかと思います。
また、カロリーオフといった表示の場合は、100gあたり40kcal未満、100mlであれば20kcal未満となりますので、こちらは食べる量に注意が必要です。
食事療法を成功させる秘訣は?
基本的には、飽食のクセがついてしまっている生活を粗食に戻すだけですので、難しいことではないはずです。
しかし、人間は習慣を変えることほど苦労を伴うことはないため、食事療法は人によって非常に耐えがたく感じることもあるでしょう。
残念ながら、ダイエットと違って「まぁ、いいや」「明日からやればいいや」では済まされない状況です。
やる気と根気が必要ですが、自己管理はなかなか難しいかと思いますので、糖尿病食の通販などを利用し、美味しく楽しんで乗り切りましょう!
食べてはいけないものは?
糖尿病の人が「食べてはいけないもの」というのはありません。食べ物の栄養バランスと摂取エネルギーについて考えることが重要なのです。
ただ、食べる時に注意しなければならない食材もあります。体内で消化されてブドウ糖になり、吸収されて血糖値を上げる食材です。そのため、必要量以上に炭水化物を摂取することは避けるべきです。
また、野菜類の中には、糖質が含まれるものもあります。かぼちゃや根菜類は糖質が多めなので、食べ過ぎないように注意してください。
調味料のたれやドレッシングにも砂糖が多く含まれているので、摂りすぎに注意しましょう。
気を付けないといけないことは?
栄養バランスと総摂取エネルギーを考えた食事をとりましょう。必要なエネルギー量をかかりつけの医者に決めてもらったら、1日の総摂取エネルギー量をほぼ3等分し、決まった時間に、ゆっくりと食べましょう。
間食は回数や量を減らし、脂質と塩分も控えめに。食物繊維はたっぷりとりましょう。そして何より、見直して改善した食生活を、ずっと続けることが大切です。